寄生虫
あたしの食べ残しでも平気だということは、京介はあたしの事を少しは特別な女の子だと感じているかもしれないと言う事だ。


そう考えるとすごく嬉しくて、自然と頬が緩んだ。


そうしてあたしたちはそれぞれに料理を注文して、届くと同時に京介と克哉はがっつくように食べ始めた。


「すごい勢い……」


大口を開けて一気にラーメンをすする京介に思わずそう言う。


「試合は体力も精神力も使うからね」


真尋がそう言い、オムライスをゆっくりと口に入れた。


京介も克哉も、いつも売店で買って教室の外で食べているからこれほどの食べっぷりだとは知らなかった。


京介の新しい一面も見る事ができて、嬉しく感じる。


4人でご飯を食べていると、話題は自然とサッカーの話になってきた。


今日の対戦相手のレベルがどうとか、仲間のレベルはどうとかいう話から始まり、練習のメニューについての話題に切り替わる。


その時にはすでにみんなご飯を食べ終えていて、京介があたしの残りのから揚げを平らげた所だった。


本当にあたしの食べ残しを食べちゃった……。


から揚げだから箸もつけていないような綺麗な状態だってけれど、やっぱり嬉しさを感じた。
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