寄生虫
あたしも一時、京介のそばにいたいからという理由でサッカー部に入部を考えた事がある。
そういうマネージャーの存在は嫌がられるとわかると、入部しなくてよかったと思った。
「でも、室井さんは違う。選手それぞれをちゃんと観察して、何が不得意なのかを見極めてくれてる」
京介が優しい微笑みを浮かべたままそう言った。
室井さんという女の子の事を相当よく感じている事は確実だった。
あたしはそんな京介を見ていられなくて、食べきったお皿に視線を落とした。
店員さんが早くこのお皿を下げに来てくれれば、そろそろ帰らなきゃという気持ちになれるのに、今日に限って店員さんは開いたお皿に気が付いてくれなかった。
「あの子は本当に優秀だと思う」
京介の言葉に賛同する克哉。
その隣では真尋が少し心配そうにあたしを見ていた。
「ね、そろそろ出ようか」
うつむいたままで何も言わなくなってしまったあたしを見て、真尋がそう言った。
「え? お前買い物があるんじゃなかったか?」
克哉が真尋へ向けてそう言う。
「そうよ。だから早く出ようって言ってるの。あ、サナギは家に帰らなきゃいけないみたいだから京介が責任を持って送ってあげてね」
真尋は早口にそう言うと、自分たちの分のお金をテーブルに置いてそそくさとお店から出て行ってしまった。
そういうマネージャーの存在は嫌がられるとわかると、入部しなくてよかったと思った。
「でも、室井さんは違う。選手それぞれをちゃんと観察して、何が不得意なのかを見極めてくれてる」
京介が優しい微笑みを浮かべたままそう言った。
室井さんという女の子の事を相当よく感じている事は確実だった。
あたしはそんな京介を見ていられなくて、食べきったお皿に視線を落とした。
店員さんが早くこのお皿を下げに来てくれれば、そろそろ帰らなきゃという気持ちになれるのに、今日に限って店員さんは開いたお皿に気が付いてくれなかった。
「あの子は本当に優秀だと思う」
京介の言葉に賛同する克哉。
その隣では真尋が少し心配そうにあたしを見ていた。
「ね、そろそろ出ようか」
うつむいたままで何も言わなくなってしまったあたしを見て、真尋がそう言った。
「え? お前買い物があるんじゃなかったか?」
克哉が真尋へ向けてそう言う。
「そうよ。だから早く出ようって言ってるの。あ、サナギは家に帰らなきゃいけないみたいだから京介が責任を持って送ってあげてね」
真尋は早口にそう言うと、自分たちの分のお金をテーブルに置いてそそくさとお店から出て行ってしまった。