寄生虫
☆☆☆

バラがお茶を沸かしてくれている間、あたしは簡単にシャワーを浴びていた。


ぬるいお湯を頭からかぶるととても心地よくて、目を閉じる。


バラとの関係が少しずつ変化していっているためか、自然と笑顔になれた。


それなのに……ふと、京介の顔を思い出していた。


室井さんという女の子の話を楽しそうにしていた京介。


あたしは目を開けて自分の胸に手を当てた。


京介に少しでもいいから特別視してほしい。


告白をする勇気がまだなくても、京介と一緒にいたい。


そんな気持ちが湧いてくる。


京介に会いたい。


今すぐに。


そう思うと居てもたってもいられなくて、あたしはシャワーを止めた。


体を拭くのも時間がもったいないと思えるくらいで、すぐに下着を身に着けた。


「サナギ、お茶いれてるよ」


「やっぱりいい」
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