寄生虫
真尋は今までもそうやってあたしを励ましてくれていた。


でも、鏡で自分の姿を確認してみても可愛いと感じる事はなくて、真尋は優しい嘘をついているのだと思っていた。


その一方で、バラは色白で笑顔を絶やさず、背筋をピンと伸ばして自信に満ちている。


そんなバラは内側から魅力があふれ出していて、沢山の男子生徒たちを虜にしているようだった。


「どうして姉妹でこんなに違うんだろう」


あたしはバラの姿を思い出してそう呟いた。


「またおねぇさんの事?」


「うん」


そう頷くと、真尋は「サナギはサナギなんだから関係ないでしょ?」と、言って来た。


確かにそうだった。


姉は姉。


あたしはあたし。


だけど同じ家で暮らしている以上、常に比較されてしまうのだ。


それは悪気のない行為だとしても「姉妹なのに似てないね」と言われれば自然と自分がけなされていると感じるようになっていた。


生まれてきた時からずっとそうして生きて来た気持ちを、真尋にはきっと理解できない。
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