寄生虫
《じゃぁ、30分後にコンビニ集合ね》


《OK》


それだけのやり取りをした後、あたしはすぐに昨日買った服に着替えた。


パステルカラーのトップスに、フワリとした白いスカートを合わせる。


バッグ夏を感じさせるカゴバッグを選んだ。


全身鏡に自分の姿を映してみて、少し照れてしまう。


普段はこんな格好しないからなんだかくすぐったい。


そう思いながらあたしは一階へと下りて行った。


「あたしちょっと出かけて来るね」


リビングに顔をのぞかせて家族にそう言うと、お父さんはあたしの姿に目を丸くした。


お母さんは「まぁ、可愛い!」と拍手して、バラは「ほらね」と、自信満々の表情を浮かべた。


「サナギ、ちょっと待って」


リビングを出ようとした時、バラがそう言ってあたしを引き止めた。


「なに?」


「口紅くらいつけていきなよ」


そう言い、バラは自分がいつも使っている口紅をあたしに差し出してきた。


ピンク色の可愛い口紅だ。
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