寄生虫
血がベットリとついたタオルはそのまま洗濯機へと投げ込まれた。


腕には無数のかきむしった傷がついていて、それはどれも肉をえぐるほどの深さになっている事がわかった。


「ここまで掻きむしって気が付かないなんて……」


あたしは自分が怖くなって背筋に寒気が走った。


「まだ血が止まってないわね。病院に行かなきゃ」


少量だが血はまだ出ていたようで、お母さんが焦って保険証を準備し始めた。


「サナギ、これでいい?」


バラがそう言い、あたしの部屋から普段着を持ってきてくれた。


もう片方の手には血まみれになったシーツを抱えている。


「ごめん、ありがとう」


そう言い、着替えを受け取った。


真っ赤になったシーツを見てバラは少し顔色が悪くなっている。


それほどまで出血しているのだ。


「お母さん、病院の準備はできたの?」


「今してるところ!」


バラの問いかけに悲鳴のような返事を変えすお母さん。
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