寄生虫
そう返事をしながら教室のドアを開けると、途端に視線を感じた。


少しの沈黙の後、「大丈夫?」と、真尋が駆け寄ってきた。


今日は仲の良いグループの子とお弁当を囲んでいたようだ。


「心配かけてごめんね、大丈夫だから」


あたしはほほ笑んでそう返事をした。


他の子たちにも笑顔を向けて大丈夫だという事をアピールする。


大げさな包帯のせいで、いつも以上に視線を感じる。


教室に入っても結局居心地の悪さは変わらなかったのだった。
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