寄生虫
☆☆☆

アレルギーはなかった。


その事実を真尋と京介と克哉に話すとみんなが「よかったね」というような内容を口にした。


あたしからすればアレルギーであった方がよかったのだけれど、心配してくれているみんなの前では笑顔で頷いておくことにした。


今日は薬がきいていてかゆみもないし、とりあえずは平和な1日になりそうだった。


そんな、お昼休み。


男2人が教室にいない時間があたしと真尋の恋話タイムとなる。


真尋はこの時間を待っていたようで、お弁当を広げるよりも早く「最近どう?」と、聞いて来た。


『どう?』とは、当然京介との関係を聞いているのだ。


聞かれる覚悟はしていたものの、いざ聞かれると言葉を発する前に顔がカッと熱くなってしまった。


それを隠すようにうつむいたけれど、遅かった。


「なにかいい事あったっぽいね!?」


真尋はそう言って机から身を乗り出してきた。


「別に……何も……」


そう言いながらお弁当の包みを解いて蓋を開ける。


美味しそうな卵焼きが姿を見せて、空腹感に襲われた。
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