永久に抱かれた姫君



 執り行われた結婚式。それは、国民に祝福され壮大なものとなった。

君は、思わず涙を流してた。

とっても、綺麗だったよ。


 そして、夜。初めて愛しい君と結ばれたあの夜。

顔を真っ赤にして身をよじる君は、極上に美しくて。

いつか失ってしまうかもしれないという不吉なことが過って、怖くなった。だから、必死に君を手繰り寄せて抱きしめた。


「君を離したくない」

 そんな風に漏らしてしまった。…ああ、ちょっとばかり独占欲が強かったかもしれない。



 翌朝、君は、眠たそうに目を擦り、抱きしめ過ぎだと照れていたね。


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