*Kissよりギュッと*
だから俺はなにも言わずに美夜に背を向けた。
アホだな、美夜は。
明日斗に何人女がいると思ってんだよ。
いい加減、気付けよ。
゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚
翌日。
「あー、永瀬龍(ながせりゅう)くん、永瀬龍くん、今すぐ牧瀬美夜の席まで来なさい」
……なんだよ。貴重な休み時間に。
一番後ろの席の俺に向かって、美夜が丸めた教科書でメガホンを作っている。
真っ直ぐ俺を見つめて。
明日斗とは離れてしまったけど、美夜とは二年から同じクラスだ。
「……なに」
ゆっくり立ち上がって美夜の席へ行くと、美夜は少し眉を寄せて俺を見上げた。
「龍。正直に言って。明日斗、浮気してるんでしょ」
うわ……今ごろかよ。
……コイツはやっぱアホだ。
……気付いてなかったんだ、やっぱ。
「……」
「もうっ、龍!聞いてる?!」
長い睫毛に囲まれた二重の大きな眼が、ムッとしている。
「知らねー」
「嘘」
「知らねって」
「ほんとに知らないなら、龍も知りたくない?明日斗が浮気してるのかどうか」
アホだな、美夜は。
明日斗に何人女がいると思ってんだよ。
いい加減、気付けよ。
゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚
翌日。
「あー、永瀬龍(ながせりゅう)くん、永瀬龍くん、今すぐ牧瀬美夜の席まで来なさい」
……なんだよ。貴重な休み時間に。
一番後ろの席の俺に向かって、美夜が丸めた教科書でメガホンを作っている。
真っ直ぐ俺を見つめて。
明日斗とは離れてしまったけど、美夜とは二年から同じクラスだ。
「……なに」
ゆっくり立ち上がって美夜の席へ行くと、美夜は少し眉を寄せて俺を見上げた。
「龍。正直に言って。明日斗、浮気してるんでしょ」
うわ……今ごろかよ。
……コイツはやっぱアホだ。
……気付いてなかったんだ、やっぱ。
「……」
「もうっ、龍!聞いてる?!」
長い睫毛に囲まれた二重の大きな眼が、ムッとしている。
「知らねー」
「嘘」
「知らねって」
「ほんとに知らないなら、龍も知りたくない?明日斗が浮気してるのかどうか」