*Kissよりギュッと*
゚*.。.*゚*.。.*゚

……誰かが泣いている。

これは……亜美だ。

「私が悪いの。私、美夜が羨ましくて」

次に理沙の声が聞こえた。

「…私も…」

「美夜はいつも努力してたよね。なのに私、」

由依だ。由依も泣いている。

どうしたんだろう、なんでみんなが?

意味が分からずにゆっくりと眼を開けると、由依が私を覗き込んでいた。

「美夜!気がついたみたい!私、先生呼んでくる!」

何度か瞬きをしてよく見ると、私は保健室のベッドに寝かされているみたいだった。

……そうだ。そう言えば私、龍と一緒にいて…気分が悪くなったんだ。

そこからの記憶がない。

「美夜、ごめん、ほんとにごめん」

亜美が涙に濡れた顔で私を見つめた。

「私…美夜を応援するなんて言いながら明日斗に告白してた。フラれるのは分かってたけど、どうしても告白はしておきたかったの。本当は入学した時から明日斗が好きだった。だけど美夜に言い出せなくて」

入学した時から……?じゃあ、私よりもずっと長く明日斗を好きだったの?

驚いて言葉もない私に、理沙が言った。

「私も…今思えば美夜が羨ましくて…美夜は凄く努力してるのに、私はそこからの眼を背けて妬んでばかりで。でも美夜が倒れたって龍に聞いて……もっと早く声をかけていれば良かった。凄く後悔してる」
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