*Kissよりギュッと*
コイツは渡せない
゚*.。.*゚*.。.*゚
週明け。
「きゃあ、美夜……うんうん、美夜はやっぱこっちのが似合う!」
亜美がニコニコして私を見つめている。
「実は私もこっちのがシックリくる」
アッシュブラウンの髪色にライトブラウンのアイブロウ。
今の私は、自分の《好き》を大切にすることを心がけている。
「ねえ、亜美ー、この間持ってたデオドラントスプレーどこでゲットしたの?あの種類、いっつも売り切れなんだけどー」
私が口を尖らすと、亜美が生き生きと眼を光らせた。
「あれね、実は家の近所の商店街の中でみつけたんだ!ドラッグストアは売り切れじゃん?千代ばあちゃんのお店なら置いてあるの」
「千代ばあちゃん?!」
「そ!百花商店の看板娘85歳」
亜美がおどけて口をすぼめた。
どうやら千代ばあちゃんは口にシワがあるらしい。
「あははは!千代ばあちゃん、可愛いね!」
「そ!可愛いお婆ちゃんなんだよね」
「じゃあ、私も買いに行こうかな」
そこに理沙と由依がスクバが重いと文句を言いながらやって来た。
「おはよー!」