僕の太陽
秋崎が、唇をとがらせながら
菓子パンの袋をあけた。


その姿に思わず笑いがもれる。


ほんとにこいつは甘いもんばっか食べて…
太んぞ、マジで。



とは言え秋崎に初めて会ったときも、
そこには胸焼けするように甘いパンがあって、


甘いものが苦手だった俺が、
唯一食べれるようになったのがそのメロンパンだった。


それどころか、
精神安定剤のような役割すら持っている。



「こんなに、好きなのに…」



秋崎はいつもそんなことを言う。
「どうして彼女にしてくれないの」とか
「そんなにあたしが嫌ならもう近寄らないで」とか




俺が秋崎と付き合うことは、
多分無いと思う。

考えらんねえし。








ただ一つ言えるのは、


秋崎は彼女なんかより
ずっと、ずっと、大切だ。


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