僕の太陽
最初はただ、珍しいだけだった。


初めてあいつ、直井圭佑に会ったとき
圭佑は誰もいない放課後の教室で一人窓の外をぼんやり見ていた。


圭佑の事は名前ぐらいしか知らなかったから、
はじめは怖かった。

なんか目つきは悪いし…。



「直井くん。」


反応、なし。


「直井くん、
なーおーいー!!!」


あたしが耳元でそう叫ぶと、
彼はゆっくりと振り向き
「誰」とそう一言だけ。



「綾川由衣。隣のクラスだから」


「ふーん」



圭佑はそう言うとまた
窓の外に目をうつす



「何みてんのー?」

「…空。」

「いやいや思いっきり下向いてんじゃん」


空は上でしょ?





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