僕の太陽
あたしだって言いたい事はたくさんあった。

だけど今綾川さんにそれを言ったところで、圭佑はあたしを彼女にはしてくれない。
圭佑は、綾川さんを選んだのだ。

あたしはベンチの下にまだ煙の消えていないタバコの吸い殻を見つけた



「ねえ綾川さん。
そんな若いうちから無茶してたら早死にしちゃうよ?」


「いーのー!
うふふ秋崎さんも飲む?」


急に綾川さんは笑い出して
どこから出したのか
缶チューハイを開けグイっと飲む

「こんなところ見つかったら停学だよ」

「いいよもうなんでも」

「よくないよ」

「あたし圭佑と別れないから
絶対、死ぬまで別れてやんない」



綾川さんはきっと本気で言っている。
だけどみんなこんなことを言う。…圭佑の歴代彼女達は。



むかつく。
なんかもういらいらする。
はっきりしない圭佑にも、
どうせ「もう耐えらんない」と言って別れを切り出すに決まってる綾川さんにも。

理不尽だって解ってるけど
たぶん自分に一番いらいらしているんだ


あたしは綾川さんの手にある缶チューハイを奪って飲み干してやった。




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