僕の太陽
気持ち悪さで目覚めるとまだ和寿がいた。

「水飲む?」と和寿が笑うのをぼんやり視界に入れながら、
もう限界だった。

「かず、吐く。」

あたしがその一言を発すれば和寿はパッと洗面器を手元に固定し、あたしの背中を優しくさすってくれる。

口の中に苦い味が広がった。

どうしてあたしって学習しないんだろう?
ちょっとでも飲んだらすぐ吐いちゃう体質なのに。


うがいをして落ち着いていると、
和寿が自販機でミネラルウォーターを買ってきてくれた。


「杏また飲んだだろ
二日酔い?」


「…かずには何でもバレちゃうから先に言うけどさっき飲んだ。」

「は?お前すげえな」


和寿は、ははって笑ってあたしが散らかしたのを片付けてくれている。



なんていうか、あたしはかずには甘えっぱなしだ。
歳が一つ上というのもある、でも小さい時からかずはあたしのお兄ちゃんだったから。

家が隣なもんだから、
しょっちゅうかずの家で遊んでいたあたし達は兄弟同然で。

お父さんもお母さんも好きだけど、
悩みを相談出来るのはかずのお母さんだったり。





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