僕の太陽
その途端圭佑はこっちに走って近付いて来て、



そして自分のジャージをあたしに羽織らせ、
持ってたタオルもあたしの首にグルグル巻き付けた。


「見てるこっちまで寒いんだよお前」




すごく、嬉しかった。
寒さなんて忘れるぐらい嬉しかったんだよ。

だからあたし…
向こうに見える綾川さんの顔は見えないふりした。
少しでも圭佑の優しさを感じていたかったから




その上圭佑があたしの頭にポン、と手を置くから
火照った頬を隠したくて
あたしは話を切り替える



「それよりっ、
試合みないと!
じゃあね、また!」


早く戻ってあげな、
なんていい人ぶるあたしは最低だと思う
自分にヘドが出そうだった








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