僕の太陽
「直井の新彼女って由衣だったんだね」





「勝目、無いよね〜」
かずの試合をぼんやり見ながら
呟いた。




「由衣美人だからね
明るいし、良い子だし。」


昼間から学校で酒盛りしてるけどね…
それより唯ちゃん、もうちょっとフォローしてください…



「それでも、」


「ん?」


それから唯は、何か口を開いてまた閉じた。
「まあ、世の中にはあんたみたいなんがいいって言うやつもいるからさ」

「どーいう意味よ」

「あははっ」


「あ、かず入れた!」

コートでは、かずは仲間とハイタッチ。
女の子の高い声に振り向くと、
かずの同級生の女の子がかっこいいだのきゃーきゃー言ってる。

モテるんだなあ、なんて。

なんか変な気分。
お兄ちゃんがモテる子ってこんな感じなんだろな。



でもかずは彼女つくらないからな〜
興味ないのかなあ。


一回、どうして誰に言い寄られても断るのか聞いたら
「お前の世話でいっぱいいっぱいだからさ」だって。

なに、あたしのせいなの?


まあかずならいい彼氏になるよ。マジで。






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