僕の太陽

するとかずはこっちに気付いて、「見たか杏！」と叫んだ。



笑って手をふると、
また試合に戻って行った。

なんだか視線を感じて振り向くと、かずに黄色い声をあげていた先輩逹が何かぼそぼそ言いながらこっちを見ている。

何を言ってるかなんて、全部を聞き取ることはできなかったけど
これだけは聞こえた。

「たいしたことないじゃん」

って。

あー、うん。
地味に傷付くんだよそういうの。
なんせあたし中学生に間違われますしね、
分かってるけど言わなくったっていいじゃん。

あたしがうつむいて黙りこんでると、
先輩逹はまた騒ぎ出した。
唯は今にもケンカを売りそうなぐらい睨んでる。


別に初めてじゃない。
こういうことを言われるのは、
かずを好きな子だったり、
圭佑の彼女だったり。


でも今このタイミングで言われるのは正直辛い。
これがもし、綾川さんなら
「お似合いだよね」なんて言われるのかな









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