僕の太陽
学校を出たところで気付く。
病院どこか聞いてねえじゃん…

和寿くんに聞こうと思って携帯を開くと、
メールが入っていた。
和寿くんからだ。
「中央病院だってさ」


なんでそんな冷静なんだよ、
俺は心ん中でつぶやきながら走った。


人生でこんなに走ったのは
小学校の徒競走以来だ、って
大げさじゃないほど必死で
なんか痛々しいな、俺。


病院に着くと受付で
「さっき高校生の女の子が、運ばれたって」
と肩で息をしながら途切れ途切れで言うと、
「ああ、その方なら今治療中ですね」と案内してくれた。
口ぶりからもあまり大事では無いと分かったけど、
さっき会ったばっかりだけど、
秋崎に会いたかった。
顔見て、声聞いて、安心したかった。








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