僕の太陽
「ちょお貸してみ」

後ろから聞こえた声に振り向くと、
そこには見たことない男の子がいた。


髪が明るくふわふわしていて
制服の着こなしもこんなオシャレな子
そしてこの方言
目立つはずなんだけどな


あたしがその子を凝視していると
ニコっと笑って
「ごめんちょっと前から聞こえてたんやけど
女子トイレやから入れんかって」
そう言うとドアを蹴り飛ばした。



引き戸のはずのドアは、
向こう側だ。


あたしは綾川さんに近寄ると、
持ってたハンカチで手首を縛った



ちょうど同じ頃、
救急車が学校に着いたようで、
サイレンが聞こえる


「先生も呼んどいたし」
方言の子はそう言って手を振ると
どこかへ行ってしまった







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