僕の太陽
確かに唯の言いたい事は分かる。でも、
あたしにもわけ分からないんだ。
でも、止められない。





今のあたしは、
知らなかった。

圭佑が抱えているものの重さや、悲しい、涙を。

知らない方が幸せだったのかな?
二人とも。


だってあたし
圭佑の笑顔が、
ただ見たいだけだったのに。









「秋崎さあ、」


屋上で数学をサボっている時、
ふいに圭佑がこう始めた。




「人は死んだら本当に星になると思う?」



たまに圭佑はこういう事を急にあたしに聞く。




「星に、なるのかなあ。
でも嫌だなあたしは。」


「嫌かあ、だよなあ。」


圭佑はそれだけ呟くと、
また難しい顔で遠くを見つめた。

淡い、圭佑の香水の香りが
風にのってくる。


それだけで、
幸せを感じた。
苦しいぐらい、
胸が狭い


.
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