私の存在価値を教えてください
気がつけば私は、学級委員になっていた。

意外とあんまり驚かなかった。

なんとなく、予想はしてたから。

それに、あの事件のことで、頭が働かなかったから。



ぼーっと1日を過ごした。

気づけば、ホームルームが始まる少し前。

先生に声をかけられた。

「放課後、学級委員が集まる会が生徒会室であるから、よろしくね」

先生が優しい笑顔で言った。

学級委員の事か…。

「分かりました。上村君には、私から伝えておきますね」

無愛想にならない様に少しだけ笑顔を作る。

「ありがとう。大変だと思うけど、頑張ってね」

「はい」

学級委員ってどんな事するんだろ?

そんな事を思いつつ、本を読んでいる上村君に声をかけた。

「ごめん、ちょっといいかな?」

「…なに?」

読んでいた本にしおりをはさみ、上村君は返事をした。

「今日の放課後、学級委員が集まる会があるって」

「…そうか…どこでするの?」

「生徒会室だって」

「わかった」

チャイムがちょうど良くなり、私は席に着いた。

上村君はメガネをかけてて、いかにも真面目そうな知的な雰囲気がある。

クールな感じがあって、少し近寄り難い。まぁ、そこへんでは、私と一緒か。

私は、ホームルームが終わるのを窓の外を眺めながら待っていた。
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