私の存在価値を教えてください
放課後の会議がもうすぐ始まる。

ため息が出た。

学級委員になったし、事件は起きるし…

今日は運が悪い日かもしれない。

嫌な事が起きる気がする。

はぁ、っとまた、ため息をついた。




会議の内容は文化祭の事についてだった。

ーー文化祭…か…

大事なところだけをメモし、上村君をちらと見てみる。

嫌な顔一つせず、ちゃんとメモしてる。

やる時はやる人なのかもしれない。

少し意外に思ってしまうのは失礼かもしれない。

「では、このことについて、ちゃんとクラスで話し合って下さいね。では、解散して下さい」

観察してる間に終わった。

メモはとったし、帰ろ。

そう思って立ち上がった。

「上村君、私帰るね」

「そうか。じゃあな」

「うん」

少し無愛想だと思われたかもしれない。

早足で教室を出た。

「…うわぁ!」

「きゃっ!」

早足で歩いていたせいで、人にぶつかってしまったらしい。

「…佐原さん…?」

この人、もしかして、

「…あの時の人…?」




ーーーーこうして、私達は、出会ってしまった。
< 6 / 14 >

この作品をシェア

pagetop