【短】スウィートドーナッツ


狭い電話ボックスの中で泣きながら、いろんなことを思い出していた。


初めて会った時から『美央!』と、私の名前を呼んでくれた先生。

自習室をいつも覗きに来てくれた先生。

他の女の子にやきもちをやいちゃった、先生の誕生日。

休みの日も、私のために来てくれた先生。

先生とは、自習室の思い出がいっぱいだね。


他の先生に、私が頑張っていることを話していた先生。

私がそれを他の先生に聞いて、先生に言ったら、『そんなの言ってねーし!』なんて、照れながら言ってたね。


誰よりも、私を可愛がってくれた先生。






初めての、悲しい土曜日。


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