桃色センセイ&狼生徒
「な、何ですか…?」
「とぼけんな!アンタあたしから彼氏とったじゃない!!」
パシィッ――!!
「キャア――ッ!!」
甲高い音とわたしの悲鳴が、体育館裏で響いた。
わたしは頬を抑えて、壁に寄り掛かった。
先輩に平手打ちをされたのだ。
頬が焼けるみたいに熱い。
「こんな娘のどこがいいんだか…!!」
先輩はわたしの髪を鷲掴みにして、ギッと睨んできた。
「…マジでムカつく…。こいつヤッちゃって」
先輩がそう言うと、どこからか数人の男が現れた。
「大貴すら嫌になるくらい、男を嫌いになればいい」
先輩の言葉を切っ掛けにしたかのように、その男たちはわたしにたかり
地面に叩きつけるように押し倒した。
「イ、イヤ!!離して!!」
「うるせえ!!」
ガッ――と、重い拳が、わたしの顔を直撃した。
「おい、顔はよせ」
リーダー格の男が言った。
「あんまり騒ぐなよ。
せっかく美人なのに…グチャグチャになるぜ?」
――痛い
――恐い
―――誰か
助けて――
「たす……助けて――!!」