桃色センセイ&狼生徒
「桃佳ちゃん、何もされなかった?」


「う、うん」



わたしはなるべく狼くんと距離をおいた。


でも、授業中も狼くんのアタックはつづいた。



「センセー、ここ教えてぇ?」

「センセ、そこ字が違うよぉ」

「その問題、俺がやるー」


事有る毎に理由を付けて、わたしの近くにきていた。

でも、生徒としての理由だから拒絶できない。


い、いい加減諦めてよ…。



…50分がこんなに長く感じたのは初めてだった。



「し、死ぬかと思った…」

「う〜ん、狼ちゃんにオチない桃佳チャンも凄いわよ。
でも、だから余計に燃えるんじゃない?
狙った獲物は逃がさないハンターだからこそ、ね?」


そ、そんなとこで燃えられても……!!


「桃ちゃんセンセー!!」

「ひぎゃあ!!」


思いっきり狼くんにハグをされ、気絶をするかと思った。


「センセー、ちっちぇ!!
つか細!!ちゃんと食ってる?」


急に真面目な顔をして、首を傾げる狼くんに、ドキッとした。



< 15 / 30 >

この作品をシェア

pagetop