桃色センセイ&狼生徒

翌日、塾に行くと、入口に一樹が立っていた。




「桃佳ちゃん…」


「おはよ。一樹ちゃん」


「昨日は、狼が…ごめんね」


「…大丈夫……一樹ちゃんが気にすることじゃないよ」


「でも…っ」


「あ、授業始まるよ?行こう」




わたしは一樹の手をひいた。




教室に入り、後ろの席の方まで見渡したけど

狼くんの姿は見当たらなかった。




「上月狼くんは…欠席」







もしかしたら狼くんは


もうわたしには会ってくれないのかもしれない。







50分間の授業が終わり、わたしは一人、教室に残った。







「…はぁ……」







―カタンッ―





「…誰?」


「センセ……」


「狼くん…!?」











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