桃色センセイ&狼生徒
「あんたが受け持つのはこの、Cクラス」
莉奈は『C-class』と書かれた教室の前で立ち止まった。
「この塾でもイケメンたちばかりが集まったクラス…って…関係ないか」
莉奈は、ガチガチ震えるわたしを見て言った。
「…大丈夫?桃」
「だ…大、丈夫」
わたしは大きく息を吸って、教室に入った。
そして
悲鳴を上げてしまうかと思った。
視界に入るのは、男ばかり。
確かに、端正に整った顔の男が多いが
わたしにとっちゃ、イケメンだろうが、不細工だろうが、関係ない。
男は男なのだ。
「…き、今日から…このクラスの講師になりました。
…ま、松原桃佳と…言います」
わたしはぺこりと頭を下げた。
出来ればこのまま顔を上げたくない。
「センセってさ、彼氏いんの?」
前の席に座っていた、アイドルのような顔をした少年が言った。
「い、いません!じゅ、授業、始めます…」
大丈夫かな…?
これ……。