桃色センセイ&狼生徒
その赤毛は、微かに震えるわたしを見てニヤリと笑った。
「あんた…男嫌いね」
「えっ!?」
な、何で…わかるの?
「そんだけびくついてたらわかるわよ。
安心して。アタシ"女"だから」
わたしは、自分よりも頭一個分大きな赤毛を見上げた。
「アタシねぇ、こんなナリしてるけど、女なの。
たいていオカマに間違われんだけど…」
赤毛は、ハァーとため息を吐きながら言った。
そして、改めてわたしに向き直った。
「…アタシは高野一樹(タカノイツキ)よろしくね。
香鈴女子学園の3年よ」
「よ、よろしくお願いします」
わたしは、おずおずとお辞儀をした。
信じられないなぁ。
普通の人から見たら、完璧なイケメンなのに…
女の子だなんて…。
「桃佳ちゃん、この後予定は?」
「あ、今日はないです」
「なら、アタシとお茶でもしない?」
高野さんは、首を傾げながら言った。
「あ…はい!」