絶対好きにならない
「すみません・・・」
「ううん、いいよいいよ」
そういえば、私の過去の話なんて、親とオーナーさん以外に話したこと無かったなぁ。
親友のなぎちゃんにさえ言ってなかったくらいだし・・・
「胡桃ちゃんの家、どっち?」
「左です」
時々沈黙があったりしたけど、他愛もない話もしながら、漸く家に着いた。
「直樹さん」
「胡桃ちゃん」
「はい」
私の声を直樹さんの声でかき消された。
「1回呼んで?直樹って」
「えぇ!!ダメですよ」