毒薬
彼女がもし少しでも魅力的な容姿をしていたら、

もしかしたら僕は夜が明けた後友人に自慢気に

さっきまでの出来事を吹聴するかもしれない。

そして友人たちはそれを面白がるだろう。



いや、関係を持った人間を彼女だと明かせば、友人はやはり面白がる。

しかしそれは嘲笑であり、憐れみであり、少し足りない小男の奇妙な行動を覗き見しているときのような、微かな優越感と、

ある種のグロテスクさを楽しむような、そんな感情だろう。
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