毒薬
大人しくなったところで、僕は再び身体を起こして、彼女の形の悪い足を開く。

世にも醜い、黒い艶のある毛が絡み合った、(ローストビーフの表面に色も質感もそっくりだった)

彼女のそれを見て、僕は思わず嘲笑した。

彼女の足が僕を蹴ろうとしたのか奇妙に空を描いた。

身体が固いのか、その動作はずいぶんぎこちなく滑稽に見えた。

薄汚れたような肉の隙間を無遠慮に開くと、意外なほど鮮やかな紅色をした粘膜が見え、

僕は適当な場所を見つけ、無造作に指を突っ込んだ。

彼女が大きな声で叫ぶ。

頬が緩むのを感じる。

ヤメテだなんて、本心は見え透いてるのに。

彼女の声を無視して、僕は手を雑に動かす。
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop