毒薬
固く拒むようだった感触は、次第に滑らかになって絡みついてくる。

彼女はさっきからずっと目を閉じている。

僕は手を止めた。

そのまま何もできずに僕はぼんやりと彼女の弛んだ下半身を見つめていた。

彼女がパッと目をあける。

呆けたように、彼女の足の間に正座している僕に、彼女は言う。

「何よ、これ」

彼女の声には軽蔑の色が現れていた。

「なにがしたいのよ」

仰向けになったままこちらを向くから、彼女の顎がややたるんで見えた。

「するならすれば?」

彼女は冷たく言い放つ。

だけど、僕はその先がわからない。


彼女は無表情で僕を見ていた。
「まさか、知らないでこんな事したの?」
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