干物ハニーと冷酷ダーリン
第3話
予想外の訪問者
企画号の入稿を無事に終え、これと言って何も起こらず平穏な編集部に戻った頃。
「………ここ寒くないですか?」
『ん?そー?涼しくてちょうどいいけどな』
「そうですか」
エアコンの風向きがこっちに向いてるからかなぁ。今朝から何だか寒気がする。
体は寒いのに、顔はぽかぽかしている。
ん?もしかして、女特有のあれかな?
予定では、1週間先だけど。
『おい、川本。フェアの進行はどうなっている?』
「…えっ、あー、はい。営業部に企画内容をあげて書店に確認をとってもらってます。スペースの都合上、野外になる可能性があるかと…」
『………………』
「…あの、水城さん?何かまずい事でもありました?」
水城さんは、じっとあたしの顔を凝視しているばかりで少し怖いのですが。
この企画書ちゃんと水城さんに確認とったよね?水城さん、これでいいって言ったよね?
なに?なに、なに?
なんで、そんなにあたしを見るんですか!