干物ハニーと冷酷ダーリン
『…川本、、、お前………』
「……はい?」
もしかして、あたしお叱りを受けるの?
っと、思った時。タイミングを見計らったかのようにデスクの電話が鳴った。
いやー、どこの誰かは存じませんが有り難うございます。
「はい、ダンテ出版川本です」
難なく水城さんから逃げる事が出来ました。
「ああ、久留米先生。いつもお世話になっております。………えっ!はっ?沖縄?先生、沖縄に行くんですか?……旅行?気分転換に………いや、あのですね先生、、、」
大変です。
久留米先生が逃亡しようとしています。
何考えてるんですか!いつもギリギリのくせに、どこにそんな旅行に行く暇があるんですか!
「先生、ネームは?ネームは出来てるんですよね?……………ちょっ、先生!先生!」
こんのアホ漫画家め!都合が悪くなると、すぐ切りやがる。
旅行など行かせてたまるか!
「水城さん、久留米先生が逃亡しようとしてるので、ちょっと行ってきます!」
かばんを掴み、編集部を飛び出す。
走りながらも先生に電話をするが、ちっとも出ない。
家電に掛けたり、スマホに掛けたり。
ついには、家電は電話線を抜かれスマホは電源が切られた。