干物ハニーと冷酷ダーリン
「水城さん!?何やってんですか!……、ちょっ今開けます!」
それは、いくら目を凝らして見ても水城さんで
、夢でも幻でもソックリさんでもなく、編集長の水城さんでした。
鍵を解除したけど、何故かまた鍵が掛かった。
あれ?もしかして、あたし帰って来た時、鍵かけ忘れた?
そんな事は、今はどうでもいい。
それをまた解除して、ドアを開ける。
「…すみません。水城さん、お待たせしました」
そこには、両手に荷物を持った水城さんが立っていた。
『…お前、いろいろと大丈夫か?』
「えっ、あっ。まぁ大丈夫です。ところで何故水城さんがここに?」
『ああ、これ。黒崎達から預かった』
渡された紙袋の中には、たくさんの果物やらゼリーやらプリンやらスポーツドリンクが入っていた。
なにこれ、超うれしい。
「わざわざ水城さんが持って来てくれたんですか?ありがとうございます」
『…いや、別にいいんだが…川本、体調悪化してないか?』
「……そうですか?今までずっと寝てたんですけどね」
良くもなってなければ、それほど悪くなったこともないと思う。