干物ハニーと冷酷ダーリン
畳の上にごろんと大の字になって、寝転んでみる。
この畳の感じが好きだ。
実家は、木造だったので畳は当たり前で学生時代フローリングに憧れていた事もあったけど、やっぱり畳は落ち着く。
はぁーあ。
帰ろうにも、旅館につくなり高橋さんに釘を刺され帰れず、あたしってそんに分かりやすい?
"川本さん、帰らないで下さいね!川本さん居なくなったら女子はあたし1人になっちゃうんですからね!"
これが、女の勘なのか?
いや、違うか……。
どちらにせよ、帰れないのだ。
朝イチに出発して、今は午後2時を廻った。
途中にサービスエリアで昼食をとったわけだけど、黒崎さんがバッシングの嵐に遭っていた。
旅行の一発目の食事がサービスエリア。
それが気に食わなかったらしい。
それでもあたしは、美味しくうどんを食べた。
二杯目のお茶を急須から注いでいる時、女将さんがやってきた。
あたし実は、こういうの苦手なんだよね。
ショップ店員しかり、ドラッグストアのコスメ店員しかり。
どうぞ、あたしに構わないで下さい。