干物ハニーと冷酷ダーリン


『………戻る』


「…はい。どうぞ、あっ、高橋さんお願いしますね」



これ以上、ひき止めても先程の無防備な表情を撮る事は出来ないだろう。

めちゃめちゃ警戒心剥き出しの顔されたし。

何より、そんな状態でここにいられる方があたし的に耐えられない。



久留米先生、すみません。
とても素材のいい被写体を逃しました。


頼まれてもいないけど。



せめてもと思い、去って行く水城さんの後ろ姿を風景と共にカメラに納めた。


いつか、使い道があるだろう。


参考にどうぞ。


っと久留米先生のスマホに送ったら、


1週間、旅行してろ

っと、返信がきたので、

明日には帰ります。
明後日の朝イチにそちらにお邪魔するので、
ネームあげておいて下さい!

っと、送り返したら既読スルーされた。



あたしも、もう少ししたら戻ろう。

もし、無法地帯になっていたらすぐに部屋に戻って寝てしまおう。

黒崎さんに、捕まる前に。







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