干物ハニーと冷酷ダーリン


やっちまったことこの上ない。

ゲロスパイラルに、突然のナンパ紛いの出来事に黒崎さんに当り散らかしてしまった。


多分、一番の要因はあのナンパ紛いだと思う。
無自覚だったとはいえ、愛だの恋だのと避けてきたあたしにとってあまりにも威力がでかかった。


無意識に、あの時の記憶が甦っていた。



「あの、黒崎さん。すみませんでした」


『えっ、あっ。うん。俺は大丈夫だけど、、、ってか、俺がごめんなんだけど』



まだ水城さんに繋がっているだろう、黒崎さんのスマホを貸してもらい水城さんにも謝罪をした。



あたし、仕事中に何やってんだろう。
それも、あたしが企画したフェアでだ。
本当にどうかしてた。




それからは、黒崎さんと野外で購入者の誘導に白田先生のフォローをして、無事にフェアを終わらせる事が出来た。




白田先生をタクシーに乗せて見送る。


黒崎さんは、あたしを気にして声をかけてくれたけど、へらへらと笑って交わしながらも会場を片付けた。





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