干物ハニーと冷酷ダーリン

『こういう為事態は会社的にOKって事なんですよね？』



忘れていた。こいつがデンジャラスポジティブチャラ男って事を。



なら、受け取って下さいと再度それをあたしに差し出してくる。



黒崎さんはというと、あっ、ごめーん。とそっとジェスチャーしていた。


検討違いな空気の読み方だった。




「すみませんが、受け取れません。受け取っても連絡することもないと思うので」


『それでもいいんです』


「本当にごめんなさい。まだ仕事がありますので………」



ぐいっと黒崎さんを引っ張って、その場を後にする。

自分でもつくづく馬鹿な女だ。

受け取るだけで、その後は捨てるなりなんなりすればいいのに。それすらしないって。


でも、それすら出来ない。
出来ないんだよ、あたしは。