干物ハニーと冷酷ダーリン
「先生、一応確認ですが、修正を加えるって事でいいんですよね?一部分の事言ってるんですよね?」
『……全部だけど』
「全部?」
『そう、全部。今回の原稿全て』
おっけー、おっけー、分かった。
いいでしょう。そこまで言うなら聞いてあげましょう。
「もう、ネームまで出来てるんですか?確認待ちですか?なら、今見ますから出して下さい」
『………プロットも出来てないないけど』
ふーん。
プロットも出来てないのに、そんな余裕そうな顔をしているわけですか久留米先生は。
なんて、ふてぶてしい。
「先生、あたしも声張り上げるのも疲れるんですよ。極力言いたくはないんですが、言ってもいいですかね?」
『君は、ダメだと言っても言うんだろ?なら、言えばいいじゃないか』
「なら、お言葉に甘えて…………オマエはバカか!今さら何言っちゃってるんですか!そうしたいのなら、ネームが出来てから言って下さい!それすら出来てないのに、よく描き直したいなどと、入稿まであと何日だと思ってるんですか!1日は24時間しかないんですよ!」
途中で両耳を塞ぎ、座り心地の良さそうなチェアーの向きを変えて背中を見せた久留米先生をど突きたくなった。
その背中に23センチの足跡付けてさしあげましょうか。
『言いたい事が済んだら、帰ってくれ。忙しいんだ』
「………あたしが帰ったら、ネームまでどれくらいで上げられますか?」
『4日、、、いや、3日』
「帰らなかったら?」
『今回は無しだ、入院でもしたと載せてくれ』
この、クソガキ。
そんな事をしてみろ、あたしの首が危ないじゃないか。
あと、3日か、、、、。
ギリ間に合うか?いや、今の段階でペン入れもされてない時点でアウトなんだ。
2日で限界だ。