干物ハニーと冷酷ダーリン
第6話
黒い塊
長すぎた1日が終わり、入浴を手早く済ませ寝たと思ったらすぐさまアラームがけたたましく鳴り響いた。
睡眠時間、わずか3時間。
死んでしまう。
そんな短時間で疲れがとれるわけもなく、起きれた事が不思議にさえ思う。
ともあれ、また1日が始まった。
くそー。昨日、半休出しておけば良かった。
キツい。これはキツい。
足はむくんでるし、目は寝不足で若干赤い。
目の下の隈も濃くなってる気がする。
グダグタとスキニーを履いて、Tシャツを着る。たっぷり時間をかけたわりには、色気も洒落っ気もないファッション。
いーんだ。いーんだ。あたしは所詮編集者。
色気付いてもしょうがない。
見られて困る相手もいない。
楽チンな職場で良かった。
栄養飲料ゼリーをくわえ、履き慣れたスニーカーでアパートを出た。
ああ、太陽があたしを苦しめようと頑張っている。
今のあたしなら、太陽より北風を応援するよ。
できるだけ、日陰になっている道を歩き何もない所で5ヶ所躓き、電信柱に2度ぶつかりそうになりながらも無事に出版社にたどり着いたら。