干物ハニーと冷酷ダーリン
明日の天気を確認して、ベランダに洗濯物を干しその量に驚愕した。
一体何人家族ですかと問いたくなる程だ。
ああ、下着は部屋の中で干しなさいってお母さん言ってたっけなぁ。
なんて、思いつつもベランダに干してしまうあたし。
取りたいものなら、とればよい。
この、色気もへったくれもないこの下着でもいいならな。
一通りの事を済ませて、手短に入浴しいつもより大分早い時間に布団に潜り込んだ。
これなら、余裕で8時間は寝れる。
目覚ましをセットして、スマホを確認。
大丈夫。何もきていない。
久しぶりの安眠時間をおいそれと邪魔されるわけにはいかない。
あたしは、ものの3分程で意識を手放した。
持論ではあるが、こういう時に限ってやっぱり何かしらのトラブルやハプニングが勃発するものである。
慣れない事は、しない方がいい。
普段と違うことをすると失敗する。
全くもってその通りである。
枕元においてあったスマホがブルブルと震え続けている。
振動している長さからして電話である事は、分かりきっている。
だが、しかし。
まだ、部屋の中が暗いという事は朝ではなくまだ夜中あたりだろう。
こんな非常識な時間に電話をしてくるのは、水城さんか黒崎さんしかいない。
なんだよ。ちくしょー。
眠りの浅い時間帯を狙いすましたかのようなこのタイミング。
眠りが深かったら気付かなかったのに。