干物ハニーと冷酷ダーリン
3回目のリダイアルで眠気を帯びた声色で高橋が電話に出た。
事の真相をしらない俺は、取り敢えず今から出版社に来てほしいとだけ伝えた。
『あのー、高橋と連絡取れましたけど、、、何があったんですか?』
『あったなんてもんじゃねぇ!編集部は言伝てもまともにできねぇのか!!どういう指導してんだ!』
長谷川部長は、時たま編集部に怒鳴り込んでくる事はあるにしろ、ここまで感情むき出しにしてくる事はない。
それほどまでに、今回の編集部のミスはかなりのものだった。
今日の夕方頃、不在だった水城に言伝てを頼むと長谷川部長は高橋に内線をしていた。
それは、新たにオープンした大型書店の大半を占めるエリアの枠を営業がもぎ取ってきたので、人気作家と今後ヒットしそうな作家をリストアップをして18時までに営業部の副部長にあげておいて欲しいと。
そして、19時にその書店との打ち合わせがあり水城にも同席して欲しいので現地まで来るようにとの事。