干物ハニーと冷酷ダーリン
『でも、まぁ高橋に全く非がないってわけじゃないから、長谷川部長の言ってる事も分からなくはないしなぁ』
「そうですねぇ。…………で?か弱い少女をほっぽっておっさん組はどちらに?」
『……あのね、おっさんって、、、元凶組は営業部で明日の打ち合わせだよ』
おっさんの言葉に反応して呆れた顔した黒崎さんだけど、元凶組だと言った黒崎さんも人の事は言えないと思う。
水城さんにチクろう。
「じゃあ、ちょっと行ってきます」
『頼んだぞ、川本』
と、言ってもあたしに何が出来るだろうか。
どちらかと言うと、あたしはどやされ慣れている方で慰め役なんて役職違いと言うか、、、。
こういう役は、三野さんあたりが適役だと思う。
「………高橋さん。お疲れ様」
今はあたししかいないわけで、やるしかない。
そっと高橋さんの隣に座る。
「黒崎さんに話は聞いたよ。ごめんね。最近あたしも余裕なかったからいろいろ気が回らなくて」
高橋さんの指導係りを任されている以上、これは高橋さんだけに責任を負わすわけにもいかない。
あたしにも非がある。
「あの人達、言い方はキツイかもしれないけど、それだけ仕事熱心なだけなんだ。今も営業部で打ち合わせしてるんだって。一度、顔出しに行かない?」
高橋さんのすすり泣く声は次第に落ち着いてきて、真っ赤に晴れ上がった顔をあげて縦に首をふった。