干物ハニーと冷酷ダーリン
「それに、少なからずこの件に関わっていた副部長の姿が見えないのですが……どちらに?まさか高橋だけを夜な夜な呼び出して副部長は夢の中なんて事はいくらなんでもないですよね?部長は先程、責任感がなんとかおっしゃってましたけど…」
『………………』
長谷川部長はばつの悪そうな顔をし、水城さんは肩をカタカタと震わせて笑いを必死に堪えているように見える。
水城さん、あなた笑ってる場合じゃないですよ。
言っておきますけど、あたしあなたにも怒ってるんです。
「それともう1つ言わせてもらいますけど、ゆとりは謝罪そして泣く事しか出来ないとか何とかおっしゃっていたみたいですけど、それはそれしかさせて貰えないからですよ。」
手に持っていた缶をデスクに乱暴に叩きつけると、目一杯空気を吸い込む。
「いいですか!ガミガミと頭ごなしに怒鳴りつける事くらい誰だって出来るんですよ!それを上司の特権だと勘違いしてませんか!俺達の時代はなんて事はこの平成の世の中じゃもう通用しないんですよ!」
『おっ、おい。川本…』
「何ですか、長谷川部長。またゆとり談義ですか?いいですよ別に。長谷川部長の言うゆとり世代はどんな理不尽な説教でも慣れてますから。おかげさまで打たれ強く成長してますから」
『…いや、うん。その、、、悪かったな。いろいろと』
流石に上の人に対してやや言い過ぎたかと、若干の後悔があったけど、開いた口は塞がらなかったといいますか、勢いそのままにと言いますか、、、
まぁ、見事に長谷川部長の顔はひきつっていた。