干物ハニーと冷酷ダーリン


後日。


その話に尾がつき鰭がつき、噂が広がりあたしにまた1つ異名が付けられたのは言うまでもない。





『大平さーん!編集部、お局様から内線でーす!』


『…げっ!まじ?今、電話対応中で後でかけ直すって言っといて!』


『、、、、、、すみません!大平さーん!電話切れてましたー!』



編集部お局様。本名川本かなで。



営業部に乗り込むまで数秒後。



嫌みたらしく、名を名のる。




「編集部、お局こと川本です!大平さん、いますか?いますよね!、、、、大平さん!!!」



『…や、やぁ川本、、、どうしたよ?』



「毎年恒例のダンテ出版社納涼会ですが、今回編集部一同欠席ですので、よろしくどうぞ!」


『………は?全員か?水城編集長もか?』


「そうです。全員です。今年ばかりはどうにもこうにもなりませんので!あぁ、もちろんの事、先生方も出席できません。」



『………まじか』



「まじです。そんな暇はないのです。先生方も我々も」




では、お局こと川本かなで戻ります。

と、またもや嫌みったらしくデカデカと営業部に響かせてやった。



戻るフリをして、営業部のドアに聞き耳を立ててみると、


流石はお局様、こえーよ。

迫力が半端なかったな。

部数会議、絶対お局様と一緒とか胃が殺られそう。



それを聞いて、何故か泣きたくなった。













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