干物ハニーと冷酷ダーリン
第7話
追うもの
何が何で、どうしてこうなった?
『……どうですか?妹の作品は』
「いや、まぁ、、、今の所は何とも言えないです」
平日の昼下がり。
いつもの如く入稿日に追われ、担当作家をけたたましく煽りまくり、アシスタントの手伝いと忙しない編集部。
だいぶ、服装も各々乱れてきて黒崎さんなんて、よく分からないキャラクターもののTシャツを着ている。
その中でも三野さんは、限界を越えているようで室内なのにサングラスを装備するまでに頭がイカれた。
そんなあたしも、スキニーに無地のTシャツ。
首と額には冷えピタをくっ付けている状態である。
『おい、川本。ちょっと来い』
と、水城さんに言われたのは15分前。
『お前、その格好で、、、、まぁいいか』
と、言われたのがその3分後。
そして、冒頭での会話が今現在進行中である。
編集部には、1ヶ月に数回ほど一般から持ち込まれるネームがある。
そこから、漫画家になれるのは極僅かだが夢を叶えるために渾身の作品を持ち込み評価を受けるのだ。