干物ハニーと冷酷ダーリン


真面目に仕事をしよう。
毎度の事ながら、いろんなものがギリギリだ。

ギリギリと言わず、もはや間に合わない、原稿を落とすまでに片足を突っ込んでいる。


だが、捗らないのも確かで。
その原因が、隣のお局様で、、、、川本で。


俺も、何がなんだかてんてこ舞いよ!



だが、しかし。
今は、邪念を捨てて仕事に没頭しよう。

さっきから、水城の視線がチクチク刺さる。

てめぇ、仕事してるフリはやめろ。鬱陶しい。と言っている気がしてならない。
現に、PCに送られてくる水城からのメールに作家だろう名前がずらりと書かれたリストが添付されている。

これは、無言の『担当作家増やすぞ、誰がいいか選べ』と圧をかけてきている。


そろそろ俺も危ない。

これ以上、増やされては生命の危機だ。

俺、まだ死にたくないんです。




ちょうどその時、川本が久留米先生の追い込みに向かうべく立ち上がりデスクを離れた事をいいことに、俺は頑張った。

俺の頭を悩ませる元凶がいない間、副編集長として立派に職務を果たした。


それは素晴らしい働きだと思う。


そんな俺にもつかの間の休息。


指を組んで、両腕を天高く伸ばしてふと気付く。




あれ?外、暗くない?


日中あれだけ騒がしかった編集部には、デスクに沈んでる三野と富井。

そして、水城だけ。


20:06

デジタル時計が今、06分から07分に変わった。




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